2013年12月2日

2周年

0.5周年と題されたブログ記事に続く投稿が「2周年」というタイトルに...
はて、空白の1年半はどこに?

まずは2年間、こんな小さな立ち飲み屋を支えて下さったお客様に
心から、心の底から感謝申し上げます。
吹けば飛ぶような4坪の店は、進撃する巨人もビックリの
「お客様」という高く強固な壁によって守られてきました。
――このお店の自慢を1つ挙げるとしたら何ですか?
そう問われたら迷わず「お客様です」と即答できるくらい
恵まれた数々の出会いを経て、2周年を迎えることができました。
本当にありがとうございます。

家でも職場でもない「3番目の場所」として
マルサンバルは生まれました。
仕事モードから家モードへのスイッチ切り替えに
1杯のビールは素敵な働きをしてくれます。
同僚にも家族にも話せないことも、良い意味で無関係な
飲み仲間たちは軽く聞き流してくれます。
ふいに寂しさに包まれた帰り道も、シャンデリアの灯りと
「わー、久しぶり!」という温かい声に
思わず頬が緩むかもしれません。
そんな効用を知ってか知らずか、今夜も一人また一人と
バルの扉を開いて下さいます。

一方で狭いカウンターの内側にいる僕は
お客様を通じて広い世界へと毎日旅に出ている気分です。
想像もしていなかった職種の裏側を知り
出張先でのトラブルにハラハラし
近所の美味しいお店の情報を共有し
人生の門出を共にお祝いする。
海外赴任中のご家族が帰国した際に立ち寄って下さったり
ご実家の果樹園からお裾分けを頂くこともあります。
ポールマッカートニーのライブの興奮を
イオンにやってきた河村隆一の様子を
前日のデートのあれこれを
合コンで玉砕した話を...
皆さんがお話して下さる色とりどりの世界こそが
日々変わるバルのカラーとなって僕を楽しませてくれます。
そのカラフルな世界に惹かれたお客様がまた
バルの扉を開いて下さるのだと思います。

冒頭で、前回更新されてから2周年を迎えた今日までの
「空白の1年半はどこに?」と冗談混じりに問いました。
バルを覆い囲む壁がお客様とするなら
日々、高く厚く強固になる壁の拡張工事を
感謝しながらただただ見上げるのが店主の役目かもしれません。
たわいもない会話の繰り返しで過ぎ去ったように見える1年半の出来事は
空白なんかでは決してなく、どれも温かく大切な思い出として
僕の胸に刻まれています。

何の告知もしていませんでしたが、2周年当日であった昨晩も
たくさんのお客様がお祝いの言葉とお花とビール(笑)を持って
立ち寄って下さいました。
いつも通り、くだらない話と笑いに包まれた店内でしたが
最後のお客様を見送った後、少しウルッときたのは
歳のせいだということにしておいて下さい。
2年間本当にありがとうございました。
そして今後ともどうぞ宜しくお願い致します。